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特集 試験研究費の実務
税理士 佐藤 善恵
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本稿では、研究開発税制における「試験研究費」の範囲について取り上げます。
このテーマを理解するにあたっては、まず、「試験研究」とはどういったものか、「研究開発」との相違点は何か等、概念的な理解が重要です。
中小企業では、会計基準よりもむしろ税法基準において税額控除の適用の可否が重要な関心事です。そうしますと、税額控除の可否判定においては、会計よりも措置法の定義を完全に理解することが不可欠といえます。令和3年度税制改正によって、税法上の「研究開発費」の定義規定が措置法に設けられましたが、その趣旨を条文のみで理解することは容易ではありません。会計や科学技術基本法における研究開発の範囲に照らしながら理解...