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相続等に備える「家族法」の理解 第2回 家族法に関する現代的な問題
弁護士 松浦 絢子
( 75頁)
家族法は、家族間の法律関係を規律する法律であるため、その時代における多くの人の家族観や価値観に基づき、その内容が定められています。もっとも、現代社会では家族のあり方や個人の生き方に関して多様な価値観が認められるようになってきた反面、従来の伝統的価値観がベースになっている現行民法をそのまま適用すると不都合が生じることが増えてきました。
さらに、生殖補助医療と呼ばれる妊娠、出産に関する医療技術の進歩によって、従来の民法では想定されていなかったような問題も生じています。このような現代的な問題に関しては、法改正により手当をされているものもあれば、法改正自体がされていないものもあります。法改正がされていな...