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相続等に備える「家族法」の理解 第5回 離婚に関する諸問題②

 弁護士 松浦 絢子

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前回 から離婚に関するルールについて解説しています。離婚に関して実務上しばしば争点となるのは、離婚が認められるかどうか、また、離婚時の財産分与です。

離婚に関して夫婦間で合意が成立していても、財産分与に関してはお互いの離婚後の生活を左右することから、容易に合意に達しないことがあります。お互いの財産が預貯金だけであればまだそれほど問題はありません。しかし、夫婦が不動産や株式などを保有している場合、共有状態のままとすることはその後のトラブル回避のため望ましいこととはいえず、共有状態を解消する必要があります。ところが、売却するのか、夫婦の一方の単独所有とするのか、さまざまな選択肢があることから、不動産や...