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書評 コンサルタント・公認会計士 金子 智朗 著『数学×会計』

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【評者】公認会計士・税理士 太田 達也

●数学的発想の重要性

数学とは、物事の本質に最短で辿り着くための最強のツールを提供するものである。もともと自然現象そのものの法則を探求する学問として成立したものであるが、物事の法則性や本質を一定の数式で表す性質により、様々な学問や分野に応用されてきた歴史がある。自然科学に限らず、社会科学の分野もその例外ではなく、経営学や経済学において特に利用されてきた。その点、会計は数字を扱うことから、数学的な発想が常にベースになっているように思われる。会計を理解する上で、数学の素養が必要であることが本書を読むことにより痛感される。特に会計ビッグバンから始まる会計制度改革、...