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税金裁判の動向【今月のポイント】第277回 和解による相続開始後の債務免除と相続税法上の債務控除

名城大学法学部 教授 伊川 正樹

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相続税法は、「被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの」が「確実と認められるもの」に限り、相続財産からの控除を認めています。被相続人が債権者との間で和解により、一定時期までに一定金額の支払をすることを条件に債務免除を受けることとなっていたものの、わずかな支払額を残して被相続人が死亡したため、それを引き継いだ相続人が残額を支払い、債務免除を受けました。

本連載では、別の論点が争われた同一事案の別判決を紹介していますが(本連載 第247回 (2023年9月号に掲載)、 第259回 (2024年9月号に掲載))、今回は、相続税法上の債務控除の対象となるかどうかについて判断した判決についてみていきましょう。

事...