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[全文公開] 特定技能2号外国人と居住者判定

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政府は6月9日、外国人受入れ制度の改正方針を固め、“特定技能2号”の対象業種に9分野の追加を閣議決定した。この決定による特定技能外国人に係る税務上の取扱いに変更はなく、いわゆる「住所の推定規定( 所令14 )」によって居住者判定を行うという。

特定技能とは、国内人材確保等が困難な産業分野で一定の専門性・技能を有する外国人が、日本に在留できる資格で、1号と2号の2種類がある。特定技能2号は、特定技能1号に比べて在留期間が3年(更新で上限なし)と長く、1号では認められない配偶者や子の帯同が一定の場合に可能となる。

所得税法上の居住者とは、国内に住所を有し、又は現在まで引き続いて1年以上居所を有する個人のこと( 所法2 ①三)。国内に居住することとなった個人については、住所がどこにあるかを判定するため、「住所の推定規定」に基づき、国内で継続して1年以上居住することを通常必要とする職業を有するなど一定の要件を満たす場合に、“国内に住所を有する者”と推定される( 所令14 ①)。

また、“国内に住所を有する者”と生計一の配偶者や子も国内に居住する場合は、配偶者や子自身が要件を満たしていなくても国内に住所を有する者と推定される( 所令14 ②)。

例えば、特定技能2号として在留期間3年の外国人(夫)が、生計一の妻と子を帯同し共に日本に居住することとなった場合、住所の推定により、特定技能2号本人の夫、妻、子はすべて所得税法上の居住者に該当する。

ちなみに、居住者に該当する特定技能2号外国人が、日本に帯同する生計一の配偶者と子について所得要件を充足し扶養控除等の適用を受ける場合は、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出すればよい。