コーポレートガバナンス・コード~2年目の対応に向けて~ 第2回 コーポレートガバナンス・コードで求められる役員のインセンティブ報酬について
~我が国のガバナンス報告書の開示状況を見ながら~
PwCあらた監査法人 公認会計士 岡本晶子
( 24頁)
はじめに
本シリーズでは,上場会社のコーポレートガバナンス・コード(以下「コード」)対応2年目の参考に資するため,「説明」(エクスプレイン)率が高い原則について解説している。第2回目の本稿では,株式会社東京証券取引所(東証)による「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2015年12月末時点)」において,4番目に説明率が高かった補充原則4‐2①を取り上げる。コードで求められる役員のインセンティブ報酬の導入を考えている会社を対象に,コードの背景や要求事項について解説し,現在日本で採用されている制度の概要や留意事項を示すことによって,その検討の一助となることを意図している。
なお,意見にわたる部分は筆者の個人的な見解であることをあらかじめお断りする。
1. コードで求められる役員のインセンティブ報酬
我が国の上場会社に対して2015年6月1日より適用となったコードでは,その原則4‐2及び補充原則4‐2①において,経営陣の報酬に健全な企業家精神の発揮に資するようなインセンティブの付与を求めている。
原則4‐2取締役会の役割・責務(2)取締役会は,・・・・・・経営陣幹部の迅速・果断な意思決定を支援...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします