世界会計よもやま話 進む自動仕訳,様々な方法で
愛知工業大学 教授 岡崎 一浩
今は昔,1980年代に流行語になったオフィスオートメーション(OA)であるが,その成果は複写機やパソコンなどの売上以外には大きな成果はなかった。それが2000年代に入り,データベースシステムを利用した基幹業務システム(ERP)の急速な普及により,一挙にOAが進むことになった。このERPは,商品名で言えばドイツのSAP(エスエイピー)に代表される統合ソフトである。本稿では,これを含めた最近の自動仕訳を整理したい。
実は現状でも,月次の残高試算表までであれば,かなりの部分は自動仕訳ができる。
(1)帳票由来型の自動仕訳
ERPに搭載されている自動仕訳は,出庫指図書,送り状,入出金伝票など帳票の発行の度に,埋め込んである自動仕訳エンジンが起動し,仕訳され,仕訳帳に蓄積される。これが帳票由来型の自動仕訳である。旧来のマニュアル帳簿での「特殊仕訳帳」に相当する部分が個別に自動仕訳されているイメージである。
例えば,出荷伝票が発行される毎に,
(借) 売上原価 | (貸) 商品 |
という仕訳が自動生成される。人工知能を利用しないので,誤った仕訳が生成されない利点がある。
(2)OCR由来型の自動仕訳
会計ソフトFreee...
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