《トピックスプラス》法人税の新収益基準対応 税法の体系と「法22条の2」新設の意味

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IFRS15号の定めを基本的にすべて取り入れた企業会計基準第29号「 収益認識に関する会計基準 等」(新基準)の公表により,上場企業などの新基準の早期適用企業において,新基準に則った収益認識の実務がすでに始まっている。
新基準の適用企業では,従来の会計処理からの変更点などの点検が進められてきたが3月中には新基準を受けた改正税法も成立,税務上の取扱いの確認や分析が次の課題にあがっている。税務における手続きの詳細は,改正基本通達(改正通達)を待つばかりである。その前に改めて改正税法(新法)を読み,新基準の位置づけと制度の枠組み,そして新法による新基準・適用企業への影響などを考えてみたい。

法人税法の変更点と新基準の位置づけ

新基準は収益認識の「計上金額」(金額)と「計上時期」(タイミング)のルールを定めたものであり,IFRS15号の大きな特徴とされる「5ステップ」に沿って,「契約の識別」や「取引の単位」「認識時点」「見積り」「取引価格の配分」などが,収益の認識・金額計算上のキーワードになっている。新基準の適用対象企業には今後,「企業会計原則の定めに優先して新基準が適用される」( 新基準1項 )。

一方,税...