時事談論 vol.88「データドリブンへの期待」

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●消費者行動モデルの進化

データドリブンに興味があり,セミナーを受講してみた。その中で,消費者の購買モデルの変化についての説明があり,消費者行動におけるスマートフォンやSNSの影響力について改めて考えさせられた。

数十年前の大学のマーケティング講義で「AIDMA」理論について,なるほどと感心したことを鮮明に記憶している。しかし,最近の購買モデルははるかに進化というか複雑化している。AIDMA(アイドマ;Attention→Interest→Desire→Memory→Action)理論は1920年代に提唱された消費者行動モデルであり,製品・サービスの購入までのプロセスを,①Attention(認知・注意),②Interest(興味・関心),③Desire(欲求),④Memory(記憶),⑤Action(行動)の5段階で捉えていた。具体的な例としてPCの購入を想定すると,①ネットやテレビCM等で新製品の発売を知り,②素晴らしい性能だと興味を持ち,③自分の用途にピッタリで欲しいと思い,④そのモデルを記憶し,⑤ショップに赴き購入するという行動パターンを取るとされている。このため,サプライヤーは,...