消費税「インボイス制度」に係る実務上の疑問点Q&A 第6回 免税事業者等からの仕入れ

 公認会計士・税理士 太田 達也

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令和5年10月1日から、消費税のインボイス制度の適用が開始されます。インボイス制度は新しい制度であり、従来の実務にない新たな対応が多く求められることになります。

本連載では、インボイス制度について、実務上問題の生じやすいテーマを取り上げていきたいと思います。第6回は、免税事業者等からの仕入れに係る対応について取り上げます。

Q

当社の仕入先は大企業から中小企業まで多岐にわたっており、個人事業者からの仕入れもあります。仕入先の中には、免税事業者も含まれています。インボイス制度導入後は、免税事業者からの仕入れについて仕入税額控除ができなくなると聞きますが、どのように対応すればよいのでしょうか。

また、免税事業者からの仕入れについても、当社の会計システムでは他の仕入れと同様に、支払対価の額に110分の10(または108分の8)を乗じた額の仮払消費税等が計上されます。会計処理や申告書との関係はどのようになりますか。

A

1.免税事業者における適格請求書等の交付不可

免税事業者は、適格請求書発行事業者の登録を受けることができず、適格請求書を取引相手に交付することができませんので、免税事業者からの仕入れについて...