金融庁 2年目KAMの事例集を公表

記載内容の使いまわしを懸念
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金融庁は2月17日、「監査上の主要な検討事項(KAM)の特徴的な事例と記載のポイント2022」を公表した。本適用2年目のKAMについて、「レベルの高い事例が増えてきている」として好事例を示す一方で、「記載が不十分な事例について底上げが必要」として改善すべき点を挙げている。

認知度の低さも課題

同資料は本適用2年目を迎えたKAMについて、「企業とのコミュニケーションを踏まえた監査人による創意工夫」により様々な記載が見られたものの、「ボイラープレート化への懸念等の課題」も見られたと総括。2021年版( No.3547・5頁 )と同じく、投資家や企業、研究者などから成る「KAMに関する勉強会」での議論を経てコメントや事例を取りまとめた。

KAMの導入効果について、勉強会メンバーは「リスクの棚卸しの機会になった」、「注記の促進につながった」、「監査人とのコミュニケーションが密になった」(企業)、「KAMとした項目は特にしっかりと監査しており、監査品質の向上の意味でも効果を感じている」(監査人)と概ね好意的に評価。「平時でも、有事となりそうな項目に注意を向けさせるものとして有用」として、有事・平時の両方で...