2023年3月期IFRS決算Q&A 第2回 IFRS解釈指針委員会が公表するアジェンダ決定
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 石原 宏司
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 西田 享広
有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 宍戸 純子
本稿では、IFRS会計基準ではないものの、IFRS適用企業の決算に影響する可能性があるIFRS解釈指針委員会(以下、「解釈指針委員会」)が公表するアジェンダ決定について説明します。その中で「第三者との契約から生じた用途制限のある要求払い預金」(IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」)及び「貸手のリース料免除」(IFRS第9号「金融商品」およびIFRS第16号「リース」)のアジェンダ決定について、詳細に説明します。また、文中の意見にわたる部分は、筆者の私見であり、筆者の所属する法人の見解ではないことをあらかじめお断りします。
Ⅰ アジェンダ決定
Q1 解釈指針委員会が公表する「アジェンダ決定」とはどのようなものでしょうか。 |
解釈指針委員会では、関係者からよせられるIFRS会計基準の解釈や会計処理に不統一がある論点につき議論を行います。議論の結果、現行基準が会計処理を決定する十分な基礎を提供していない場合、IASBにIFRS会計基準の修正を提案することや、IFRIC解釈指針の開発を行います。これに対し、現行の基準が適切な基礎を提供していると判断したものは、その論点に対して基準をどのように適用す...
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