企業会計基準公開草案第73号「リースに関する会計基準(案)」等の概要(後編)

企業会計基準委員会 アシスタント・ディレクター 村瀨 進吾
企業会計基準委員会 専門研究員 傳田 陽一

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前回( 本誌No.3608・10頁 参照)に引き続き、同公開草案の概要を紹介する。

Ⅲ.本公開草案の概要

6.貸手のリースの会計処理

(1)ファイナンス・リース

本公開草案では、貸手のファイナンス・リースの会計処理については、収益認識会計基準において割賦基準が認められなくなったこととの整合性から、企業会計基準適用指針第16号で定められている「リース料受取時に売上高と売上原価を計上する方法」を廃止し、次のとおり提案している。

製品又は商品を販売することを主たる事業としている企業が、同時に貸手として同一の製品又は商品を原資産としている場合で、貸手として行ったリースが所有権移転外ファイナンス・リースと判定されるとき、貸手は、リース開始日に、貸手のリース料からこれに含まれている利息相当額を控除した金額で売上高を計上し、同額でリース投資資産を計上する。また、原資産の帳簿価額により売上原価を計上する。原資産を借手の使用に供するために支払う付随費用がある場合、当該付随費用を売上原価に含める会計処理を行う。また、各期に受け取る貸手のリース料(以下「受取リース料」という。)を利息相当額とリース投資資産の元本回収とに区...