ハーフタイム 企業会計に期待される「内部統制」機能の強化策

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新入社員がどの時点で経理コースをを選ぶかは企業によって異なるが、一旦経理コースを選んだ人は営業部門・内外支店・関係会社の経理担当部署(以下Aという)に配属される。

まず営業活動の現場に入り、膨大な量の一次データを本社経理本部(以下Bという)宛て報告に変換する事務作業に従事するが、DX化が進んだ環境と意識の高い諸先輩に恵まれた若手経理マンならば、着任3年以内に「内部統制」として最重要な3業務―①資産内容の健全性、②債務の網羅性、③利益計画達成率の信頼性の確保―も担当可能なレベルに達するであろう。その場合、企業にとって最大のメリットは不正会計を未然に防げることだ。もし内部統制が機能せず、社外専門家の委員会のお世話になれば、経営者にとっても従業員にとっても慙愧に堪えない出来事になる。そう考えると、ビジネスの最先端でAを経験した人はセンサーとなってBと協働すれば、グループ全体の内部統制機能を担う貴重な人材となる。ただし2つの事前対策が必要だ。

対策1;企業は独自の経理規程―規範的な「総論の部」とビジネスモデルに係る諸法規及び適用する会計基準に照らして形成されてきた「具体的な処理要領の部」に分けられ...