【座談会】資本市場の信認を高めるために何が必要なのか 第2回 PIOBの役割の変化

~サステナビリティ情報開示を含む監査・倫理基準の重要性~

国際会計士連盟 ボードメンバー 觀 恒平
公益監視委員会 ボードメンバー 古澤 知之
公益監視委員会 指名委員会 メンバー 山田 辰己
[司会・進行]日本公認会計士協会 専務理事 佐藤 久史

( 08頁)

国際監査・倫理基準設定主体のガバナンスを監視する規制当局の組織であるモニタリング・グループ(MG)による改革を受け、国際監査・保証基準審議会(IAASB)と国際会計士倫理基準審議会(IESBA)の基準設定プロセスが大きく変わった。前回の座談会ではこうした改革のポイントを確認し、日本の関係者も関心を持って国際的な基準設定の場に参加する必要があるとの意見が聞かれた( No.3627・10頁 )。

第2回は、IAASBとIESBAの基準設定プロセスを監視する公益監視委員会(PIOB)の視点に着目する。基準設定主体に求められている人材像はどのように変わってきているのか、PIOBの役割の変化にも触れながら議論を深めていただいた。

※PIOBは、IESBAのボードメンバーに野村アセットマネジメント取締役の井村知代氏を選任した( 本号54頁 )。

1.PIOBの監視活動

佐藤 本座談会の第1回では「監査・倫理に関する基準設定プロセスはどのように変わっていくのか」をテーマに議論しました。MG改革のポイントを確認し、日本に及ぼす影響や日本の関わりなどについて意見を交わしました。今回は、基準設定主体であるIAASBとIE...