JICPAなど3団体 循環取引の未然防止に向けた内部統制を

共同研究報告の公開草案を公表
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日本公認会計士協会(JICPA、茂木哲也会長)などは11月27日、「循環取引に対応する内部統制に関する共同研究報告」の公開草案を公表した。循環取引が近年も後を絶たない状況を受け、それを阻止できる組織や内部統制のあり方などを研究し、取りまとめている。発生を未然に防止することの重要性と有用な対応策を示している。意見募集は12月27日(水)まで。

循環取引の特徴

循環取引とは、複数の企業が共謀して商品転売などの相互発注を行い、実質的に架空の売上高を計上する手法。多数の企業や当事者が関与し、商流も複雑となるため、一度通常の取引と認識されると発見が困難とされる。JICPAはこれまでも監査業務上の注意を喚起してきたが、近年も循環取引による不正が後を絶たないため、より具体的に検討を開始。JICPA、日本監査役協会、日本内部監査協会が共同し、内部統制上の課題について検討を行った。

同研究報告案では、まず循環取引を示唆する状況・兆候の具体的事例を整理した。循環取引は、例えば同業他社から仕入れたものを同業他社に販売したり、通常想定されにくい取引先から仕入れたものを販売するなど、事業上の合理性が不透明であることが...