サステナビリティ開示に向けた実務の勘所(前編) 国内外の動向と開示・保証実務

有限責任監査法人トーマツ 監査・保証事業本部 非財務・サステナビリティ保証統括 パートナー 
 公認会計士 小口 誠司

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はじめに

現在各国、地域及びグローバルにおいてサステナビリティ開示基準が急ピッチに整えられつつあります。具体的には2023年6月26日に国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)がグローバルなサステナビリティ開示基準であるIFRSサステナビリティ開示基準を公表しました。また、サステナビリティ開示基準の開発が進んでいた欧州連合(EU)でも、欧州サステナビリティ報告基準(ESRS)の第一弾が最終化され企業サステナビリティ報告指令(CSRD)の要求に応じて2024年1月1日から適用されます。加えて、現在サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が検討中の我が国のサステナビリティ開示基準もIFRSサステナビリティ開示基準をベースラインとして2024年3月までの公開草案公表に向けて開発中です。

このような環境下において、どのように実務を遂行していくか、お悩みの方々が大変多いのが各社の実情です。そこで、そのようなお悩みにこたえる一助となるべく、実務の最新動向を二回にわたり解説します。前編はサステナビリティ開示の国際的な潮流、日本各社の動向及び開示及び保証を中心とした実務上の勘所を紹介します。後編は開示及び...