<INTERVIEW>IFIAR議長 長岡 隆 ガバナンス、サステナビリティ保証「広い視点で監査監督の議論を」
公認会計士や監査法人等を監督する世界各国の規制当局で構成される監査監督機関国際フォーラム(International Forum of Independent Audit Regulators:IFIAR)。本誌は、IFIAR議長の長岡隆氏(公認会計士・監査審査会(CPAAOB)事務局長)にインタビューを実施した。監査法人のガバナンスやサステナビリティ保証といった課題がある中、どのように国際的な議論をリードしていくのか。アジア初の議長としての目標や、監査品質向上に各国が広い視点で取り組むことの重要性などを聞いた。 |
1.アジア初の議長に就任
―2023年4月にIFIAR議長に就任されました。就任に対する意気込みをお聞かせください。
2006年のIFIAR設立以降、アジアからの議長選出は初めてであり、非常に光栄に思っています。メンバーは55カ国・地域まで増えましたが、他の国際機関に比べるとまだまだ若い組織ですので、リーダーシップを発揮して、組織の基盤をしっかり築くことが第一の目標です。
―アジアからの議長選出は初めてですが、どのような役割を果たしていきますか。
役割の一つとしてメンバー当局を増やしていくことが挙げられます。アジアの議長国として、アジアの未加盟国・地域への打診やアウトリーチ活動などは積極的に行っていきたいと考えています。
また、議論の現場においては、目に見える形で「包摂性」を示すことができると思います。これまでは欧米が議論を主導する構図がなきにしもあらずでしたが、グローバルに監査品質を高める観点からは、欧米だけでなく、アジア・オセアニアやアフリカ、南米などの関与も欠かせません。私自身がアジア出身の議長としてリーダーシップを発揮できれば、欧米以外のメンバー当局もより積極的にIFIARの取組に関与していく、いわば心理的なハードルが下がるのではないかと期待を持っています。企業活動がグローバルに展開していく中、監査の質をグローバルに高める取組の重要性は高まっていますので、時代に応じた役割を果たしていきたいと思います。
2.IFIARの活動
―そもそもIFIARとはどのような組織なのでしょうか。設立の経緯を改めて教えてください。
IFIARとは2006年に設立された国際組織であり、監査法人の検査などを行う各国の監査監督当局により構成されています。2023年1...
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