特別寄稿 IFRSサステナビリティ開示基準の公表とこれから
国際サステナビリティ基準審議会(ISSB) 議長 エマニュエル・ファベール
はじめに
日本の友人の皆様に心からのご挨拶を申し上げます。私は、皆様とともに2024年を迎えられることを喜ばしく思うとともに、IASBのアンドレアス・バーコウ議長とともに、この1年間における両審議会の業績を誇りに感じています。これから始まる1年のことを考えると、とても楽しみな気持ちになります。2023年6月に初となるサステナビリティ開示基準を公表したISSBは、資本市場のためのサステナビリティ開示のグローバルベースラインを目指す旅路を続けつつ、日本の、そして世界中の友人や同僚との協力を喜びとしています。
2023年における進展
2023年は、ISSBにとって記念すべき年となりました。初となる2つの基準IFRS S1号とIFRS S2号が発行され、気候関連リスク及び機会が企業の見通しに与える影響の開示のための新たな共通言語が誕生したのです。2つの基準の発行後、IFRS財団アジア・オセアニアオフィスは、規制当局、基準設定主体、証券取引所、監査法人、そして何よりも企業や投資家を含む日本の様々な関係者との積極的なエンゲージメントを展開し、セミナーも開催しました。
3月に日本を訪問できたことも嬉しく思っ...
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