2024年3月期有価証券報告書への対応 人的資本の多様性に関する指標及びサステナビリティ情報開示の留意点とEDINETタクソノミ

有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 筏井 大祐

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1.はじめに

2023年3月期の有価証券報告書から人的資本の多様性に関する指標とサステナビリティ情報の開示の記載が義務化されたが、それらの詳細な記載項目について、2023年版EDINETタクソノミにXBRLタグは用意されていなかった。そのため、EDINETから有価証券報告書のXBRLデータをダウンロードしても、新たに追加された記載項目を分析するためには、手作業等によるデータの入力が必要であった。

2024年版EDINETタクソノミでは、これらの新たな記載項目に対応した標準タグが用意されており、提出会社がデータに対して適切なタグ付けを行うことで、データ利用者はデータ分析のための前処理の負担が軽減されることになる。本稿では、2024年版EDINETタクソノミで新たに追加された主なタグに関する留意点について、提出会社及びデータ利用者それぞれの観点から解説を行う。なお、文中の意見に関する部分は筆者の私見であることをお断りしておく。

2.2024年版EDINETタクソノミの概要

金融庁は、企業内容等の開示に関する内閣府令や会計基準等の改正、XBRLタグの利用状況を踏まえて、毎年、EDINETタクソノミを...