四半期開示の見直しに係る法令・基準等改正の状況(続々編)

‐最終化に向けた検討状況と実務対応の留意点‐

京都先端科学大学 国際学術研究院 特任教授 元パナソニック株式会社 理事 山田 浩史

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1.はじめに

四半期開示の見直しの法令・基準等の関係部門(金融庁、東京証券取引所(以下「東証」)、企業会計基準委員会(以下「ASBJ」)、企業会計審議会、日本公認会計士協会(以下「JICPA」))から2023年12月に改正案(公開草案)の大部分が公表され 、パブリック・コメントのプロセスを経て、関係部門は最終化に向けての検討を進めている。本稿執筆時点(2024年2月末日)で、関係部門から最終規則・基準等はまだ公表されていないが、四半期開示の見直しの実施時期である4月が近づいている。本稿では、2月に新たに公表された四半期開示の見直しに関連する改正案(金融庁、JICPA)の概要とポイントを解説するとともに、四半期開示の見直しに関する実務上の留意点を考察する。なお、本稿で意見にわたる部分は筆者の私見である。

2.関係部門から新たに公表された改正案(公開草案)

(1)企業会計の基準の告示指定の改正案(パブリック・コメント)(金融庁)

金融庁は2月8日に「連結財規に規定する金融庁長官が定める企業会計の基準を指定する件等の改正について」(パブリック・コメント)を公表した。コメント募集の期限は3月11日であ...