四半期報告書制度の廃止等に係る金融商品取引法等の改正

金融庁 企画市場局 企業開示課 開示企画調整官 上利 悟史
元・金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 牧野 一成
金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 鹿子木 慎亮
金融庁 企画市場局 企業開示課 専門官 七海 健太郎

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一. はじめに

2023年11月20日、「金融商品取引法等の一部を改正する法律」(令和5年法律第79号。以下「改正法」という。)が成立した。

これにより、本年4月1日より、金融商品取引法上の四半期報告書制度が廃止され、四半期開示制度は証券取引所規則に基づく四半期決算短信に「一本化」されるとともに、有価証券報告書提出会社に対し、一律に半期報告書の提出が求められることとなる。また、同法では、四半期報告書制度の廃止に伴い、各開示書類の公衆縦覧期間の延長も行われている。

なお、同法の施行に伴い、本年3月27日、「金融商品取引法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令」(令和6年政令第71号。以下「整備政令」という。)及び「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」(令和6年内閣府令第29号。以下「整備府令」という。)等が公布されている。

本稿では、これらの改正の経緯、内容及び施行時期について解説を行うものであるが、意見にわたる部分については、筆者らの個人的見解である。

二. 本改正の経緯

四半期報告書は、2008年度から、上場企業の四半期ごとの経営成...