公開買付制度の対象拡大、議決権の30%に引き下げ

改正金商法を公布、大量保有報告の共同保有者を明確化
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「金融商品取引法及び投資信託及び投資法人に関する法律の一部を改正する法律」(令和6年法律第32号)が5月22日に公布された。大量保有報告制度における「共同保有者」の範囲を明確化したほか、公開買付(TOB)制度の対象取引を「市場内取引(立会内)」まで拡大した。公開買付が義務付けられる議決権割合は、従来の「3分の1」から「30%」に引き下げている。施行は、公布日から起算して1年を超えない範囲において政令で定める日から(一部規定除く)。

背景に「協働エンゲージメント」の広がり

今回の改正は、企業と投資家の対話を促進し、市場の透明性を確保するため、投資運用業、大量保有報告、公開買付等に係る整備をするもの。

投資運用業については、投資運用業者の参入促進や非上場有価証券の流通活性化を図るため、非上場有価証券の仲介業者の登録要件を緩和したほか、非上場有価証券の電子的取引の仲介業務の参入要件を緩和する等の改正を行った。

また、大量保有報告制度(発行済株式数の5%を超えて上場株式等を保有する場合に開示を求める)と、公開買付制度(一定割合を超える上場株式等の買付けに対し、事前の買付目的等の開示を求め、全株主に平等...