Q&Aコーナー 気になる論点(369) 財務諸表以外の財務報告(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、2024年6月24日に、アジェンダ協議に関するフィードバック・ステートメントを公表しました。ISSBは、今後2年間において、生物多様性、生態系及び生態系サービス(BEES)と人的資本に関連するリスク及び機会に関する開示をリサーチするためのプロジェクトを開始していますが、「報告における統合」のプロジェクトに着手しないこととしたのは、なぜでしょうか。 |
A
フィードバック・ステートメントにおいて、「報告における統合」のプロジェクトは、特に投資家にとって、サステナビリティ関連報告事項の作業よりも短期的な優先順位は高くないため、現段階において着手しないとしています。
〈解説〉
フィードバック・ステートメント(1)‐経緯
IFRS財団の定款では、国際会計基準審議会(IASB)と同様に、ISSBは、5年ごとにアジェンダ協議を行うこととしています(58条(d)(ⅱ))。ISSBは、アジェンダ協議を支援するため、2023年5月に情報要請「アジェンダの優先度に関する協議」を公表し、以下に関する利害関係者の意見を募りました。
(1)ISSBの活動の戦略的方向性とバランス...
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