企業会計基準第34号「リースに関する会計基準」等の概要 第3回 貸手の会計処理など

企業会計基準委員会 専門研究員 飯野 友里

( 28頁)

本稿(第3回)では、リース会計基準等 の概要のうち、貸手のリースの会計処理、セール・アンド・リースバック取引及びサブリース取引について紹介する。

なお、文中の意見に関する部分は筆者の私見であり、ASBJの見解を示すものではないことをあらかじめ申し添える。

Ⅲ.リース会計基準等の概要(つづき)

6.貸手のリースの会計処理

貸手の会計処理については、リースの定義及びリースの識別並びに企業会計基準第29号「 収益認識に関する会計基準 」(以下「収益認識会計基準」という。)との整合性を図る点を除き、基本的に企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」(以下「企業会計基準第13号」という。)及び企業会計基準適用指針第16号「リース取引に関する会計基準の適用指針」(以下「企業会計基準適用指針第16号」という。)を踏襲している。

(1)リースの分類

貸手は、リースをファイナンス・リースとオペレーティング・リースとに分類する( リース会計基準第43項 )。

①ファイナンス・リースに該当するリース

ファイナンス・リースとは、契約期間の中途において当該契約を解除することができないリース又はこれに準ずるリース(以下合わせて「...