<IFRS COLUMN>暖簾に腕押し 第121回 概念フレームワーク(37)

―日本における概念フレームワーク―

 国際会計基準審議会(IASB)前理事 鶯地 隆継

( 46頁)

行けたら行くわ

大阪の人に「何月何日にこういう催しを開催するので、もしご興味があればいらっしゃってください」とお誘いして「行けたら行くわ」という返事が返ってきたら、その人は来ないという意味である。もしかしたら来てくれるのではないかと期待を抱いて待つのは、やめた方が良い。

関西人全般を大阪の人と混同することについては賛否両論あるが、関西の方は一般的に決定的な言葉を避けて別の表現を使用する傾向にある。有名なのは、京都の人の自宅を訪ねて、話が弾んで夕方の時間に差し掛かった際に「よろしかったら、お茶漬けでも」と言われたら、「さっさと帰れ」という意味であるという。お隣の人から「お嬢さんピアノ上手になりはりましたなぁ」と言われたら、「ピアノがうるさい」という意味であるというから、少し恐ろしい。

討議資料

企業会計基準委員会(ASBJ)は、2004年7月に討議資料『財務会計の概念フレームワーク』を公開した。討議資料とは、通常、基準などのベースとなる公開草案を公表する前に、論点整理の段階で事前に市場関係者の意見を訊く目的で公開されるものである。したがって、通常のプロセスでは、討議資料の次に公開草案が公表され、...