Q&Aコーナー 気になる論点(380) IASBの引当金に関する公開草案(2)
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)は、2024年11月に、公開草案「引当金‐的を絞った改善:IAS第37号の改正案」(コメント期限:2025年3月12日)を公表しました。改正案では、2018年3月改正の「財務報告に関する概念フレームワーク」(IASB概念フレームワーク)と整合させるように、負債の定義や認識基準を見直し、その結果、リストラクチャリング引当金は計上できないことを提案しているのでしょうか。 |
A
いいえ。改正案では、現在のIAS第37号「引当金、偶発負債及び偶発資産」と同様に、一定の場合に、リストラクチャリング引当金の計上を提案しています。ただし、改正案では、現在のIAS第37号の文言が、リストラクチャリング計画の公表だけで過去事象条件を満たしたり、推定的債務だけから生じる義務としたりする誤解があることから、修正を提案していますが、リストラクチャリング引当金の要求事項の適用結果を変更することを意図したものではないとしています。
〈解説〉
改正案(1)‐提案の概要
現在のIAS第37号14項では、以下の3つの規準を満たした場合に、引当金を認識することとしています。
(1)現在義務規準(過去の...
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