特別寄稿 2025年のISSBの活動について

国際サステナビリティ基準審議会(ISSB) 議長 エマニュエル・ファベール

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日本の友人の皆様に心からのご挨拶を申し上げます。

2024年を顧みると、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)は、ISSB基準であるIFRS S1号「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」及びIFRS S2号「気候関連開示」の採用や、その他の利用に向けた動きの世界中での継続的な拡大を経験してきました。迎えた2025年、ISSBと日本のステークホルダーにとって大切な年となるでしょう。特に、日本は2023年のG7議長国就任以来、グローバルなサステナビリティ開示基準と、ISSBの活動を強力に推進してきました。日本中のステークホルダーの皆さまの継続的なご支援に感謝いたします。

現在までに、日本を含む30以上の国・地域が、ISSB基準の法的・規制的枠組みへの導入を進めています。これらの国・地域は、世界の国内総生産(GDP)の60%近く、世界の時価総額の40%以上、温室効果ガス排出量の半分以上を占めるものです。

サステナビリティ基準委員会(SSBJ)が、日本におけるサステナビリティ開示の義務化に関する議論を急ピッチで進めておられることに、励まされています。IFRS S1号とIFR...