IFRSをめぐる動向 第167回 「キャッシュ・フロー計算書および関連事項」プロジェクトの最近の動向(2024年9月IASB会議での審議)
PwC Japan有限責任監査法人 公認会計士 大澤美幸
Ⅰ.はじめに
本連載は、主に国際会計基準審議会(IASB)の月次会議等における討議内容に基づき、IFRSをめぐる最新の動向を伝えることを目的としています。今回は、2024年9月にリサーチ・プロジェクトに追加された「キャッシュ・フロー計算書および関連事項」に関するプロジェクト(以下、「本プロジェクト」という)について、2024年9月に開催されたIASB会議における審議の内容を中心に説明します。なお、本稿の内容は今後のIASBの討議状況によって変更される可能性があり、文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめお断りします。
Ⅱ.本プロジェクトの概要
IASBは、2021年から2022年に行われた第3次アジェンダ協議におけるフィードバックを踏まえ、「キャッシュ・フロー計算書および関連事項」をリサーチ・パイプラインに追加し、今後、初期作業の一部として、IAS第7号「キャッシュ・フロー計算書」を包括的に見直すことを目指すべきか、もしくは、より的を絞った改善を行うことを目指すべきかを検討するとしました。IAS第7号については、第3次アジェンダ協議以前より利害関係者から修正の必要性について意...
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