「株式の保有状況」開示に関する「企業内容等の開示に関する内閣府令」等の改正について

金融庁 企画市場局 企業開示課 課長補佐 鳥屋尾 大介
金融庁 企画市場局 企業開示課 係長 山口 英輝

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Ⅰ はじめに

2025年1月31日、「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(令和7年内閣府令第6号。以下同令による改正後の企業内容等の開示に関する内閣府令を「改正開示府令」という)が公布され、同日から施行された。本改正の概要は図表のとおりである

【図表】

また、これと併せて、「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」(以下「改正開示ガイドライン」という)を改正し、同日から適用された

本稿では、これらの改正について、パブリックコメントに対する金融庁の考え方なども踏まえて解説する。なお、本稿において、意見にわたる部分については、筆者らの個人的見解であることをあらかじめ申し添えておく。

Ⅱ 「株式の保有状況」の開示

企業が他社の株式を保有する場合、その保有の意義を積極的に開示することは、投資判断上有用であると考えられる。このことから、2010年3月期より、上場会社を対象として、有価証券報告書及び有価証券届出書(以下「有価証券報告書等」という)において株式の保有状況の開示が導入された。その後の改正③を経て、改正開示府令の施行前における開示事項は...