内部統制報告書の新しい記載の仕方 第2回 ターゲット1(前編) 論点整理と検討の具体的な進め方
Forvis Mazars Japan有限責任監査法人 公認会計士 高田康行
※本稿の意見にわたる部分は、筆者が属する法人の見解ではありません。凡例は 第1回 参照。
1.J-SOXにおける評価と報告と監査の関係
(1)「監査人がそう言ったから」になってしまわないように
J-SOXのもっとも重要な特徴は、内部統制監査の対象が「報告」である点です。「評価」は必ずしも監査の対象ではなく、経営者が「報告」すべき事項が内部統制基準と内部統制府令・同ガイドラインで定められており、それが監査対象になります。ただし、「報告」すべき内容は、項目のみしか定められておらず、具体的に何を報告するか(報告内容)は、各企業が自主的・自律的に判断する必要があります( 第1回 「2.内部統制監査の特徴と内部統制基準等の改訂」参照)。
企業が基準改訂後の内部統制報告書を検討する時に、この枠組みを理解しないと必ず“迷走”します。改訂初年度に、何をどこまで内部統制報告書に記載すればよいかは、改訂基準だけでは判断できず、旧内部統制Q&Aの記載例の位置づけや改訂の経緯、監査人による内部統制監査についての理解が必要です。監査人との協議で言われるままの記載になり、記載内容の根拠は「監査人がそう言ったから」になってしまうか...
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