Q&Aコーナー 気になる論点(386) 無形資産の会計(2)
早稲田大学 大学院会計研究科 教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)がリサーチ・プロジェクトとしている無形資産プロジェクトでは、一定の無形資産を公正価値で評価し、評価差額を損益とする処理(FVTPL)も検討されているのでしょうか。 |
A
暗号通貨や排出権など投資目的で保有する無形資産の会計処理の検討は、関係者から強い支持を得ており、今後のIASBボード会議におけるプロジェクトの方向性について決定する際に、当該無形資産のFVTPLも検討されると思われます。
〈解説〉
IASBの議論(1)‐経緯
IASBは、2022年に行った第3回アジェンダ協議の後、IAS第38号「無形資産」を包括的に見直す無形資産プロジェクトをリサーチ・パイプラインに追加し、2024年4月開催のIASBボード会議から、作業計画のリサーチ・プロジェクトとして検討を開始しました。IASBは、プロジェクトの初期作業の一環として、諮問機関やその他の関係者とプロジェクトで解決すべき問題の特定、プロジェクトの範囲、作業へのアプローチについて協議しています( 本誌No.3686(2025年1月13日号) ニュース参照)。
IASBの議論(2)‐関係者のフィードバック
IASBスタッフは...
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