※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[全文公開] 編集室だより

( 134頁)

◆昨年の12月18日にOECDが「新型コロナウイルス感染症の世界的感染拡大に関する移転価格執行ガイダンス」を公表しました。感染拡大が移転価格に与える影響については,読者の皆様からも,どのように影響額などを把握・算定し説明すればよいのか,対応に苦慮しているという声が聞かれます。今回のガイダンスは現行のガイドラインを改正するものではありませんが,コロナウイルスの影響に移転価格上どのように対応すべきか,多くの論点について考え方を示しています。 本号では同ガイダンスの重要な点についてポイントをまとめています (A.K)。

連載「グローバル税務ガバナンスの向上を目指して」の最終回 にあたり,前田教授に税務ガバナンスの現状と課題について執筆いただきました。税務ガバナンスはルールや決まりもなく標準化されていない分野ですが,そのなかでも共通項を見出してみるという導入部分にはじまり,前田教授が考える税務ガバナンスの形と実際の企業の状況が述べられており読み応えのある内容となっています。実際に多くの企業の方にインタビューを行い,現状を伝えた文献はなかなかないのではないでしょうか。これまでガバナンスに取り組む企業の担当者の方,またその関与税理士の方に実務におけるヒントを提供できたらという思いで掲載してきました。少しでもお力になれておりましたら幸いです。途中コロナの影響により間が空いたこともありましたが,長くご覧いただきました読者の皆さま,対談に参加していただいた企業の皆さま,誠にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。(Y・Y)

◆昨年11月15日に日本,ASEAN10ヶ国,中国,韓国,オーストラリア,ニュージランドが参加しRCEP(地域的な包括的経済連携)協定が署名されました。日本としては中国・韓国と締結する初の経済連携協定となります。協定の発効までにはまだ少し時間がかかる見通しですが,今後,中国・韓国も含め多くの物品について関税の撤廃などが進められていくことになります。今号掲載の 「RCEPの概要と企業に求められる対応」 では,協定の概要や企業の留意点などについて解説しています(A.K)。

次号(2021 No.3)予告

令和3年3月決算対応 タックスヘイブン税制の申告実務

※一部変更となる場合があります。