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国際税務研究 PE廃止に伴う外国法人の債務消滅益と税引手取契約による日本子会社の売却

青山学院大学 名誉教授 渡辺 淑夫

( 129頁)

設例

 A国法人であるB社は,かねてより世界各国に支店,子会社等を設けて手広く事業活動を行っており,その一環として,日本国内にも東南アジア地域における事業拠点として永年にわたり支店を設け,合わせて100%日本子会社であるC社を置いていたが,昨今における世界経済の急激な変動により,B社自体はもとより,B社グループ全体としても業績が急速に悪化し,債務超過に陥いるグループ会社が続出するに至っているため,その再建のための施策として,不採算事業の廃止・削減,大幅な人員整理等を中心とする組織再編成を実施することになった。

これに伴い,日本支店は廃止し,100%日本子会社であるC社の全株はA国の投資ファンドに...