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実例で学ぶ 外国人雇用と海外出向者にまつわる税務・給与・社会保険 第127回 これからの海外人事業務の潮流

EY税理士法人 税理士 藤井 恵

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前回 の本連載では,「特集」として一時帰国者のコロナ禍の日本の税務を中心にまとめました。

そこで本稿では,その内容を踏まえ,今後,海外赴任者の税務を中心とした管理体制をどうすべきかについて,グローバルのトレンドを紹介するとともに,それに対する日本企業の状況や,この状況を変えないとどうなるか,まずは何をすべきかについてまとめました。

1.海外赴任者関連業務(Global Mobility)分野におけるグローバルのトレンド

(1)2025年までに世界の労働力の75%がミレニアル世代に ~グローバル企業においてはモバイル活用が活発化~

ミレニアル世代とは,1981年以降に生まれ,2000年以降に成人を迎えた世代で,いわゆる20代から30代後半までの人たちを指しています。この人たちが2025年には世界の労働力の75%に達するといわれています。

このミレニアル世代は,インターネットが当たり前の時代に育ったいわゆる「デジタルネイティブ」です。学生時代からスマートフォンやSNSを使うなど,モバイル活用が当たり前です。そのため,その世代の赴任者とスムーズにやり取りする上でも,Global Mobilityの世界に...