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月刊「国際税務」創刊40周年記念解説 経済のデジタル化とBEPS対処 <1>

国税庁 調査査察部 調査課長 古川 勇人

( 14頁)

月刊『国際税務』は,1981年(昭和56年)5月の創刊以来,国際取引から本格的な海外進出までの国際課税の実務に直結した情報を提供してまいりました。

これまで多くの読者や執筆者に支えられてきた弊誌ですが,おかげさまで本号をもちまして,創刊40周年を迎えることができました。厚く御礼申し上げます。このたび,その記念として,国税庁の古川勇人 調査課長に「経済のデジタル化とBEPS対処」のテーマでご寄稿いただきました。今月号ではその第一回をお届けいたします。

(編集部)

1.現行のBEPS対処 …5月号

2.「利益A」課税

3.IIR課税

4.今後のBEPS対処

はじめに

「国際税務」創刊40周年を心からお祝い申し上げます。「国際税務」が,国際課税の制度・実務についてのフォーラムとして,今後とも重要な役割を果たされることを期待しております。

「BEPS包摂的枠組(Inclusive Framework on BEPS)」は,昨年10月に,経済のデジタル化に伴う課税問題に対処するための「第一の柱」と「第二の柱」の「青写真」1を公表した。議論はまだ継続中であるが,これらの「青写真」は,今後のBEPS対処を考えるうえで...