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先どり先よみ デジタル課税 第2回 現行の国際課税のルール

税理士法人山田&パートナーズ 国際部 部門長/公認会計士・税理士 森口 直樹

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はじめに

前回 は,デジタル課税の議論の経緯について,つまり,現行の国際課税のルールが経済のデジタル化に対応しきれず,新たな国際課税のルールが必要になってきているというお話をしました。

今回は,デジタル課税の議論の大元である事業所得に関する現行の国際課税のルールを中心にお話していきます。

国際課税のルールとは

国際課税のルールとは,国境を越えた国際的な取引が行われた時にどの国がその取引に課税するかのルールです。一部の例外はありますが,現在の国際的な取引に対する課税のルールの概要は以下のとおりです。

国際的な取引が行われた場合,所得が発生した国(「源泉地国」といいます)と,所得を得た者が居住している国(「居...