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チャレンジ!移転価格税制 [第60回] 気になるデジタル経済課税(概要編)

太陽グラントソントン税理士法人 国際税務クリニック院長 山田 晴美

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部長: 最近は,デジタル経済課税やDXなど,よくわからない言葉が飛び交っていて,嫌になっちゃうよ。

新二: そうですね。実務をやる者としては,実際にどのような影響があるのかを知っておく必要があるとは思うので,きちんと理解しておきたいですよね。

部長: ということで,杏さん,今日はデジタル経済課税について,簡単に教えてくれないかな。

杏: はい,もちろんです。昨年10月に140ケ国ほどが参加しているBEPS包摂的枠組みにおいて,「経済のデジタル化に伴う国際課税についての青写真」というものが発表されたので,最近はそうした記事を目にすることが多くなっているかもしれません。既にいろいろ読まれてご存知の部分も多いかもしれませんが,こうした問題が起きた背景からご説明したいと思いますので,(図1)をご覧ください。

新二: 国際課税の基本をまず知らないといけないということですか?

杏: はい,そうですね。今までの枠組みが現状に合わなくなってきたことにより,こうした問題が起きたのですから,まずは基本について理解しておく方がいいと思います。

新二: わかりました。

杏:図1にあるとおり,外国法人等に対する課税の原則は2つあって,その...