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TP Controversy Report〈45〉 「取引の正確な描写」(Delineation)について

EY税理士法人  竹内 茂樹
  (監修:EY-TP Controversy Team)

( 76頁)

2017年にOECD移転価格ガイドライン(以下「ガイドライン」)が改訂されました。改訂作業は,BEPSプロジェクトと並行して行われ,その内容は同プロジェクトの議論の影響を色濃く受けたものとなっています。今月は比較可能性分析に関するものを取り挙げます。

はじめに

2017年ガイドラインは,近年の租税回避問題への対応と関連して,「第1章 独立企業原則」中の「D 独立企業原則の適用のための指針」に「D.1 商業上または財務上の関係の特定」及び「D.2 正確に描写された取引の認識」を新たに設けました。その内容は,“国外関連取引を比較対象取引と比較する際,本来は,国外関連取引の(算出目的たる価格以外の)取引...