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[全文公開] 編集室だより

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弊会では,3月3日に国税庁相互協議室の田畑健隆室長をお招きし,Webセミナー「最近の相互協議の状況について」を開催しました。この度,改めて田畑室長に重要論点を誌面にまとめていただきましたので, 今号の特集 としてお届けいたします。コロナ禍における各国との協議状況や協議で議論となる点,また,当日のセミナーでは時間の関係上触れることができなかった「相互協議に関するOECDの動向等」についても解説いただいています。当日,Webセミナーに参加することができなかった方も本誌をご覧いただき,実務の参考にしていただけますと幸いです(Y.Y)。

COVID-19の世界的流行は,欧州各国の経済にも多大な影響を及ぼしています。また,日本の多国籍企業にとって欧州における海外子会社は,限定的なリスクのみを負担している事業体であると特徴づけられるケースも一般的に多く見られます。このような状況の中,「欧州の海外子会社にも移転価格における損失計上を行うことができるのか」といった難しい検討課題が発生してくることも考えられます。今号の 「欧州でのコロナ禍における移転価格上の留意点」 では,欧州子会社への損失計上に係る考え方や,その対応方法などについて検討・解説していますので,是非,ご覧下さい(A.K)。

本号では, 「ドイツ国内登録簿に登録された特許権等のライセンス料源泉税を巡る問題」 についての解説を掲載しています。2020年11月から本年2月のドイツ財務省による通達や改正法案は,結局のところ何がどうなるのか分かりにくかったのですが,ドイツ国内で登録があり,その関連製品の売上等がある場合に課税すると明確化されたといわれます。日本企業の税負担増などといった影響はほとんどないようですが,コンプライアンス面では確認等が必要になる場合もあるようです(S.N)。

5月号でお知らせしておりますが,本誌は,読者の皆さまと執筆者,取材先の皆さま方に支えられ創刊40周年を迎えることができました。厚く御礼申し上げます。弊会では,これを機に「国際税務データベース」(本誌電子版)に 1981年5月号 から 2012年12月号 を収録しました(公開対象はP会員・R会員のご契約者)。移転価格税制の検討が始まったころの議論の状況などもご覧いただけます。バックナンバーへのご意見もお待ちしております(S.N)。

★次号(2021 No.7予告)

親子間契約書は必要か? 他

※一部変更となる場合があります。