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実例で学ぶ 外国人雇用と海外出向者にまつわる税務・給与・社会保険 第130回 コロナ禍でよくある相談(その1)

EY税理士法人 税理士 藤井 恵

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コロナ禍が始まり早くも1年以上が経過しました。

海外赴任者にまつわるご相談も,当初は「一時帰国者の日本払い給与は源泉徴収が必要なのか」,「日本滞在が長期化した場合,確定申告が必要なのか」等,どの会社からいただくご相談もほぼ同様でした。

ところが,それから1年が経過し,それぞれの会社の考え方・制度の違いや,赴任先の違いなどから,相談事項やコロナ禍における対応方法にさまざまなバリエーションが出てきた印象です。

そこで今回から2回に分けて,1年を超えて継続するコロナ禍で,最近よくある相談や各社の対応方法についてご紹介します。

コロナ禍で海外赴任者を一時帰国させました。大半の赴任者は赴任先に戻りましたが,一部の赴任者は,現地のコロナ感染状況がひどいため,未だに再赴任ができないまま,1年を経過してしまいました。同様の企業も多いと思いますが,これら長期一時帰国者について,他社ではどのような対応をされているのでしょうか。

 各社の対応としては大きく分けて以下の3つのケースがあります。

1.一時帰国期間が1年を超えるが,海外赴任者としての立場を維持,海外給与体系に基づき支給がされているケース

(1)この対応を取...