※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

先どり先よみ デジタル課税 第4回 課税権の配分―各国からの3つの提案

税理士法人山田&パートナーズ 国際部 部門長/公認会計士・税理士 森口 直樹

( 88頁)

はじめに

前回 は,高度なデジタル技術を駆使するプラットフォーマーの利益に対して,市場国で課税できないという課税権の配分の問題が生じ,その問題を解決すべくOECD主導で議論が行われているというお話をしました。

今回は,そのOECDでの議論の流れを追い,課税権の配分についてどのような案が出てきたのかを見ていきます。

なお,経済のデジタル化への対応に関する議論の中では,法人税や所得税(直接税)だけでなく,消費税(間接税)の議論も行われていますが,この原稿では直接税に関する議論のみを取り扱います。

余談ですが,直接税とは税金を負担する人が直接納税する税金のことです。間接税とは税金を負担する人が他の事業者を通じ...