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[全文公開] domestic news 中央省庁の令和4年度税制改正要望が明らかに

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中央省庁の令和4年度税制改正要望が出揃い,先に財務省より公表された。

国際課税関係では, 経済産業省 より「経済のデジタル化等に対応した新たな国際課税制度への対応」が要望されている。

経済のデジタル化に伴う国際課税ルールの在り方について,OECDを中心に国際的議論が進められてきた。

本年7月1日にはOECD/G20 BEPS包摂的枠組みにおいて,デジタル課税問題の対応策となる,第一の柱(大規模多国籍企業の利益と課税権を各国間で公平に配分するための新たな課税権の配分ルール)と第二の柱(軽課税国への利益移転を防止するためのルール)について大枠合意との声明が出され,現在,本年10月に予定される最終合意に向けて議論されている。

これらを受けて同省では,最終合意や国内法制化に当たっては,実体ある経済活動を行う企業に対する「控除措置」や第二の柱のルールと類似する「既存の外国子会社合算税制」の簡素化等を通じて,日本企業に過度な負担を課さないように配慮することが要望されている。

また租税条約ネットワークの拡充や子会社からの配当及び子会社株式の譲渡を組み合わせた国際的な租税回避への対応なども盛り込まれた。

その他, 金融庁 からは,保険会社等に認められている外国子会社合算税制特例の拡充,海外金融機関や海外投資家が日本の金融機関と行うクロスボーダー取引に係る税制の整備, 国土交通省 からは,外国人旅行者向け消費税免税制度について免税対象者及びその確認方法の明確化が要望されている。