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先どり先よみ デジタル課税 第7回 第1の柱の制度概要

税理士法人山田&パートナーズ 国際部 部門長/公認会計士・税理士 森口 直樹

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はじめに

前回 は,デジタル課税のおさらいと全体像の確認をしました。今回からは,デジタル課税の具体的な内容の確認をしていきます。

デジタル課税とは,「経済のデジタル化に対応するための新しい国際課税のルール」をいいます。デジタル技術の発展により様々なものをデジタルデータ化しインターネット上でやり取りできるようになり,経済のデジタル化が進展してきました。このことにより,大きく以下の2つの課税上の問題が生じます。

① 物理的な拠点なしに世界中で多くの利益を獲得する多国籍企業に関する課税権の分配の問題
② デジタル化によって生ずる「多国籍企業による租税回避行為(いわゆる,BEPS)」の問題

上記①の問題を解決する...