[全文公開] bilateral advance pricing arrangement(BAPA)(二国間APA)
佐和公認会計士事務所 佐和 周
本連載は,国際税務でよく使う英語をピックアップして解説していくものですが,今回も 前回 に引き続き,移転価格税制に関係する一般的な用語です。
移転価格リスクを事前に回避するための手段として,事前確認( APA:advance pricing arrangement )があります。
ここで,事前確認とは,独立企業間価格の算定方法の合理性等につき税務当局が事前に確認する制度をいい,企業が確認された内容に基づいて申告を行う限りにおいて,基本的に移転価格課税は行われません。
APA を申請する場合,通常は,相互協議( MAP:mutual agreement procedure )という形で,取引の相手方の所在地国の税務当局も巻き込んで,海外における移転価格課税のリスクも排除できる二国間 APA という形がとられます。
この二国間 APA は, bilateral advance pricing arrangement と訳され, BAPA と略されることもあります。
なお, bilateral が両側(双務)だとすれば,片側(片務)は unilateral ですが,実際に「一国内の APA 」という意味での unilateral APA もあります。日本語で「バイ」や「ユニ」と呼ばれるのは, bilateral APA や unilateral APA の略ということになります。