※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

国際的コンプライアンス確認プログラム（ICAP）の概要について

PwC税理士法人 移転価格部門 Tax Controversey and Dispute Resolution（"TCDR"）Japan　ディレクター　城地　徳政
　パートナー　大和　順子

( 86頁)

１．International Compliance Assurance Program : ICAP「国際的コンプライアンス確認プログラム」¹とは

ICAP とは，OECD税務長官会議（Forum on Tax Administration : FTA） 2 における多国間の枠組み・協力によるリスク評価プロセスであり，積極的な関与を志向する多国籍企業に対して，特定の取引に対して一定の税の確実性を高めるものです。実際のプログラムの流れとしては，関係税務当局が国別報告書（CbCR）・マスターファイル等の情報をもとに多国間でのハイレベルなリスク評価・確認プロセスを行い，当該関係税務当局が多国籍企業グループの対象期間における一定の関連者間取引について移転価格リスク等が低いと評価した場合には，その旨を記載した評価結果書を通知します。

2021年８月現在，ICAP参加国は以下のとおり（22カ国） ３ となっており，現在のところ，OECD加盟国，先進国が参加国の主体となっています。

アルゼンチン，オーストラリア，オーストリア，ベルギー，カナダ，コロンビア，デンマーク，フィンランド，フランス，ドイツ，アイルランド...