※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

最近のニュース・トピックスを通して学ぶ 租税条約の理論と実際〈20〉LOB(特典制限条項)生成と発展

国際課税研究所 首席研究員 矢内 一好

( 58頁)

1 日米租税条約の変遷

日米租税条約は,原条約(署名:昭和29年4月16日,発効:昭和30年4月1日),その後,昭和32年,昭和35年,昭和37年の改正署名による一部改正があり,第2次条約(署名:昭和46年3月8日,発効:昭和47年7月9日)を経て現条約である第3次条約(署名:平成15年11月6日,発効:平成16年3月30日)と変遷しています。現行条約は,原条約以降,2度の全文改正を行って現在に至っていることになります。

第3次条約の一部改正の議定書(以下「改正第3次条約」という。)は,平成25年1月に署名され,令和元年8月30日,東京において批准書の交換が行われ,改正第3次条約はこの批准書の交換...