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先どり先よみ デジタル課税 第8回 第2の柱の制度概要
税理士法人山田&パートナーズ 国際部 部門長/公認会計士・税理士 森口 直樹
( 54頁)
はじめに
デジタル課税とは,「経済のデジタル化に対応するための新しい国際課税のルール」をいいます。デジタル技術の経済のデジタル化の進展により,大きく以下の2つの課税上の問題が生じます。
① 物理的な拠点なしに世界中で多くの利益を獲得する多国籍企業に関する課税権の分配の問題
② デジタル化によって生ずる「多国籍企業による租税回避行為(いわゆる,BEPS)」の問題
上記①の問題を解決するためのルールを第1の柱,②の問題を解決するためのルールを第2の柱と言います。
今回は,多国籍企業による租税回避行為を防止するためのルールである,第2の柱の制度概要についてお話していきます。
なお,本原稿は2021年9月30日ま...