※ 記事の内容は発行日時点の情報に基づくものです

[全文公開] 編集室だより

( 120頁)

◆外国子会社合算税制においては平成29年度以降,「外国子会社の経済実態に即して課税すべき」とのBEPSプロジェクトの基本的な考え方を踏まえた抜本的な改正が行われてきました。今月の特集「外国子会社合算税制(CFC)の税務調査動向」では,「特定外国関係会社の創設」など改正の注意点をおさらいしたうえで,税務調査で指摘の多いケースについて取り上げています。具体的には,「多数の子会社等を保有する外国法人を買収する場合」や,「外国関係会社が米国で連結納税やパススルー課税を適用しているケース」などについて解説いただいていますので,税務調査・申告への対応などにお役立ていただけますと幸いです(Y.Y)。

◆今月号から,新連載「 移転価格税制についての素朴な疑問 」をスタートします。「親子間契約書は必要か有用か」( 9月号 ),「 コロナ禍と移転価格対応 」(2020年12月号)を執筆していただいた弁護士の井上康一先生に,理解が難しいといわれる移転価格税制上のさまざまな論点の中から,たとえば,移転価格課税と寄附金課税との区別,TNMMが選定される理由,独立企業間価格はピンポイントかレンジかなど,税務当局がどのように考えているのか,そのうえで,企業はどのような点に留意していくべきかを解説していただきます(S.N)。

◆報道のとおり,OECDが10月8日に「デジタル経済対応課税」の第1・2の柱に係る最終合意を公表しました。その声明には動向が注目されていたアイルランドなども新たに加わり136か国(地域)が参加しています。合意内容の大部分は7月と変わりませんが( 10月号 参照),第1の柱の「利益Aの市場国への残余利益の配分割合」や第2の柱における「最低税率」,「カーブアウト」などについては,その後の議論が反映され,より具体的になっています。導入の検討に向けては,まず「11月末までに第2の柱のモデル規則を開発する」とされており,今後,各国で対応が進められていきます。とくに第2の柱は重要なテーマですので,引き続き,本誌やWebセミナーでお伝えしていきます(A.K)。

◇次号(2021年12月号予告)

チャレンジ!移転価格税制〈特別編〉

デジタル経済対応課税と最低税率制度

※変更となる場合があります。